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航空無線の基本やりとり

今回は飛行機と管制の間で行われる航空無線の基本的なやりとりをご紹介します。



飛行機と管制官の航空無線のやりとりは、航空機が安全に目的地にたどり着くためには欠かせない手段の1つです。



航空無線は法律上、受信機があればだれでも自由に聞くことができ、実際に空港に行くとやりとりを聞いている人を多く見かけます。では、航空無線を聞くことで何ができるのでしょうか?

 

航空無線は飛行機に対して様々な指示を出す場所です。

空港にもよりますが、大きな空港であれば「デリバリー」「グランド」「タワー」「アプローチ」「ディパーチャー」の5つを担当します。

 

そして、上空を飛んでいる飛行機に対しては「コントロール」と呼ばれる場所から指示が飛びます。「コントロール」ができる場所は限られており、日本国内では5つの場所(札幌・東京・神戸・福岡・福岡航空交通管理センター)で行われています。

 

今回は飛行機と管制官の間でここでは、どのようなどんなやり取りがされているのか、ひとつずつ見ていきましょう。

 

1.デリバリー(管制承認伝達)

 

航空機の飛行方式には計器飛行方式 (IFR) と有視界飛行方式 (VFR) の2種類がある。

IFRで飛行する航空機が管制空域を飛行する場合は飛行計画の承認を受ける必要があり、この管制承認を航空機に伝達する機関です。デリバリーは出発の概ね5分程度前に出ます。行先とルートが分かります。

 

2.グランド(地上管制)

出発の承認が下りると次は「プッシュバック」。つまり飛行機を押して出発できる位置に移動しますが、これも許可が必要になります。

 

3.タワー(飛行場管制)

グランドを指示通り走行し、滑走路が近づいてくるとタワーに引継ぎハンドオフします。タワーでは、滑走路の離着陸機をコントロールします。こちらで「Line up and wait」=「滑走路に進入して待機せよ」や、「Cleared for take off」=「離陸を許可します」等の指示を受けます。

このような指示がでてから、飛行機がエンジンの出力をあげて離陸します。滑走路が比較的空いている状況では「Line up and wait」の指示はなく、いきなり「Cleared for take off」という指示が出るケースもあります。

 

4.ディパーチャー(出域管制)

ディパーチャーは、離陸した飛行機をエンルートと呼ばれる上空の空路まで誘導します。どこを通るのかはデリバリーの段階で決められていますが、その高度まで安全に上昇できるように管制官が誘導します。エンルートに到達するポイントまで到着したら上空を管理する「コントロール」に引き継がれます。



5.アプローチ(入域管制)

逆に上空を飛んでいる飛行機が到着空港に向けて降下を開始するときには「アプローチ」と交信するところからスタートします。

アプローチは、気象条件や到着機の数によって航空機同士の間隔を広げたり、狭ばめたりする必要があり、さらに、滑走路が2本以上あるような空港では、それぞれの滑走路に向けて飛行機を誘導する必要があります。そのため、大空港東京国際空港など)や混雑空域(関西アプローチなど)ではアプローチにいくつかの周波数が割り振れれており「レーダー1」「レーダー2」「アプローチ」とコールサインが変わる空港もあります。

 

このあとタワーに引継ぎハンドオフされ、滑走路への着陸を許可する等、誘導され、飛行機は無事に着陸、着陸するとグランドコントロールにコンタクトし、指示を受けます。

 

ここで紹介をしたのは、航空機を誘導する無線の基本形式であり、ここに紹介した以外にも様々な無線があります。

 

また、小さな空港であれば、クリアランスとグランドが同一周波数になっていたり、さらに航空管制官がおらず、航空管制運航情報官が航空機に対して無線を指示する場合には、ここで紹介した言い回しとは異なる言い方をします。

 

アプローチは、水平飛行から着陸に向けて降下をするときに交信をしています。

 

交信の最初で、着陸する滑走路の方向や位置を指示されるので、大きな空港であれば飛行機を見る場所を変えなければいけません。

 

空港にもよりますが、アプローチと交信をして10〜20分程度で着陸になります。

 

この交信が始まったら飛行機が来ると思っておけばよいです。

 

また、遠くから飛んでくる飛行機はどこの会社であるか近づかないと判別できません。

 

しかし、航空無線を聞いていれば、どこの会社なのかすぐに判別することができます。

 

なぜなら無線では必ず最初に「コールサインと便名」を呼ばなければいけない決まりになっているからです。

 

コールサインは、各航空会社に個別に割り振られているもので、JAL日本航空)であれば、Japan air(ジャパンエアー)ANA全日空)であれば、All Nippon(オールニッポン)のように決まっています。

 

航空会社の英語をそのままコールサインにしているところもあれば、航空会社と場は全く別物を採用しているところもあります。

 

代表例はJet Starは「オレンジライナー」がコールサインです。

 

そして、その後に数字を言います。

 

これが便名になります。

 

つまり、最初の交信を聞けば、どんな会社でどこからやってくる便なのかを把握することができます。