機長と副操縦士で食事のメニューが違うわけ
文字数1328
画像①
パイロットが飛行中にどんな食事をしているのか、気になったことはありませんか?
今回は、コックピットで機長と副操縦士とでは食事のメニューが違う理由をご紹介します。
機長と副操縦士は違うメニューを食べる
画像②
多くのフライトでは、飛行機の操縦は機長と副操縦士の2名体制で行われています。
飛行距離が長い国際線などでは自動操縦による運行が多くなりますが、
安全が確認されている状況を前提に、機長と副操縦士も食事を取ります。
食事は、お客様に提供される機内食がベースになりますが、機長と副操縦士は原則として違うメニューを選びます。これは、空の上で2人同時に食中毒にかかってしまうリスクを避けるためです。
食事のメニューが同じだと、万が一その食材に問題があって食中毒などが発生したときに、機長と副操縦士がふたりとも体調不良になってしまいます。そのため、メニューを別々のものにすることで、ふたり同時に体調不良になるリスクを減らしているというわけです。お客様の安全とリスクに対して常に配慮しているのです。
パイロットの食事には細かい規則があります。
どれだけ細かいかというと、同じコックが調理することが禁じられているだけでなく、まな板や包丁などの調理器具もすべて別のものが使われるなどです。私たちがふだん目にすることのない調理現場においても、安全運航を支える徹底的なルールがあるのです。
食事の内容も、乗客のメニューと同じというわけではありません。乗客に提供される機内食は彩りや味が楽しめるように工夫されていますが、パイロット向けは短時間に食べられてエネルギー源になることが優先されているため、いたってシンプルなものだといいます。
フライト時間が長い国際線ならパイロットの食事にも余裕がありますが、東京-大阪間のような短時間飛行のときでも、時間帯によっては、
お弁当のような急いでとれる食事をすることもあります。
画像③
コックピットには客室のように食事用のテーブルなどないので、操縦席を少しうしろにずらして、ひざの上に食事をのせて食べます。そのため食事は機内食のようなトレイにのっているのではなく、深さのある箱に入って提供されます。
画像④
ちなみに、どちらの食事を選ぶかは機長が先に決め、副操縦士はその後、ということが多いようです。責任者が先に選ぶという意味では、空の上でも社会のルールと同じといえますね。
食事をとる時間も、ずらしています。それは、ひとりが食事をしている間、もうひとりは必ず機外のモニタリングをするためです。トラブルが発生したときに、必ずどちらかひとりは即座に対応できるように、通常ポジションでいる必要があるからなのです。
私たちがふだんしているような、「その焼き魚美味しそうだね。ちょっと私の唐揚げと交換しよう」なんてことはできないのですね。
このように、パイロットの食事にも安全運航のための細かい配慮がなされています。
画像⑤
さらに、操縦士たちは地上でも同じメニューは食べません。ふだんから食生活にも気をつけているのは、高い責任感を持っているからでしょうね。食事ひとつとっても、お客さまの安全とリスクに対して常に配慮しているのですね。
操縦士たちの細かな気遣いがあるからこそ、私たちの安全が確保されているのです。
YouTube概要
コックピットで機長と副操縦士が取る食事はメニューが違います。安全に対する徹底的なリスク回避のための理由とは?
参考サイト https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/1505/
① https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/international/inflight/guide/meal/
③ https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/international/inflight/guide/meal/
④ https://easbcn.com/en/boeing-787-dreamliner-the-worlds-most-modern-aircraft/