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なぜ行きと帰りの飛行時間が違う?

文字数1322

 

3分58秒

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サムネ案追記:Why isn’t it faster to fly west?

 

あなたは飛行機の往路復路の到着時間を確認する時に、上り便と下り便の飛行時間が異なっていることに気がついたことはありませんか?今回は行きと帰りの飛行時間が違うわけについてご紹介します。



1.行きと帰りで飛行時間が違うのは「風」が理由

 

離着陸の空港は同じなのに時間が違うのは不思議だと感じますよね。その理由は、上り便と下り便で若干飛行経路が異なっていることも原因のひとつですが、その大部分は上空に吹く「風」の影響によるものなのです。いわゆる偏西風です。北半球では西から東へ、偏西風(ジェット気流)と呼ばれる強い風が吹いています。

 

例えば東京からニューヨークへ行く場合、偏西風は西から東へ吹いているため、追い風を受ける日本発便(東京→ニューヨーク)は早く到着し、向かい風になるニューヨーク発便(ニューヨーク→東京)は風速の分だけ遅くなってしまいます。そのため、往路と復路では、季節にもよりますが約1時間半も飛行時間に差が生じてしまいます。

 

西から東へ飛ぶ飛行機はできるだけ偏西風に乗るコースを選択し、東から西へ飛ぶ飛行機は、偏西風を避けて飛行します。また、西から東へ飛ぶ飛行機は、飛行時間を短縮することでより少ない燃料で目的地に到着できるため、そのぶん多くの荷物を運ぶことができます。

 

偏西風は季節によって吹く場所が変わるため、飛行時間もそれにともない変わってきますが、冬になるほど強くなる傾向があることから、夏よりも冬のほうが飛行時間に差が出ます。

 

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また偏西風は、国際線にかぎらず、国内線にも影響を与えています。たとえば、羽田と福岡を結ぶ路線では、上り便と下り便で飛行時間に約30分の差が生じるのです。

 

ただし、成田とオーストラリアのシドニーを結ぶ路線や、羽田と札幌を結ぶ路線のように、

南北方向の飛行では偏西風の影響を受けにくいのです。そのため、上り便と下り便の飛行時間はほとんど変わりません。

 

陸上競技では、トラックに吹く風が、追い風か向かい風かによってタイムに影響しますが、飛行機も例外ではありません。当然のごとく、追い風では対地速度が上がり、向かい風では対地速度が下がります。一つ注意しておきたいのが、飛行機は偏西風に対しての「対気速度」は変わらず、あくまで「対地速度」が変化すると言うことです。

 

風には「季節風」と「恒常風」があります。飛行機のフライト時間に特に影響する偏西風は、恒常風の一つです。

偏西風は高度1万メートル前後を西から東へ吹いており、奇しくも飛行機と同高度のため、この風の影響をもろに受けてしまいます。

 

偏西風に対して向かい風となる便の場合、できるだけ向かい風の影響を受けないような高度やコースに工夫されています。



2.地球の自転は関係している?

 

「行きと帰りで飛行時間が違うなら、地球の自転も関係しているのでは?」と考えることはありませんか?しかしこれは慣性の法則でも証明されているように、地球の自転と飛行時間は直接関係はありません。とはいえ、偏西風の発生メカニズムは地球の自転も一因ですので、間接的には飛行時間に影響していると言えます。





以上、行きと帰りで飛行時間が違う理由を紹介しました。

飛行機は偏西風に大きな影響を受けていることがよく分かりますね。



YouTube概要

飛行機の行き帰りで、飛行時間が違うわけを紹介します。

風や地球の自転は飛行時間に影響を及ぼしているのか、飛行機に乗る度に感じていた疑問を解決します。










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