USエアウェイズ1549便事故!ハドソン川の奇跡
航空無線 1:06 文字数 1450
ナレーション 4分55秒
http://19.gigafile.nu/0514-cad323c9456bddafe099e15cf4fadabc8
サムネには「ハドソン川の奇跡」を入れるのが良いかも。
サムネ追記:”We’re gonna be in the Hudson” を入れると良いかもしれません
画面表示
2009年1月15日午後3時30分頃
両エンジンの同時バードストライクというレアケースによって
全てのエンジンがフレームアウト(停止)
ハドソン川に不時着水したにもかかわらず
乗員・乗客全員が無事に生還する
ニューヨーク発シャーロット経由シアトル行きのUSエアウェイズ(現:アメリカン航空)1549(読み:せんごひゃくよんじゅうきゅう)便が、ニューヨークのラガーディア空港を離陸直後、カナダガンの群れに遭遇した。両エンジンの同時バードストライクというレアケースによって両エンジンがフレームアウト(停止)し、不時着水した。
航空無線の翻訳
U: USエアウェイズ1549便
T: 管制塔
参考音源 https://www.youtube.com/watch?v=Z1xBXopdKNo
1:14-1:30
T: Cactus (AWE)1549, Turn left heading 270.
US エアウェイズ1549便、方位270(読み:にひゃくななじゅう)へ左旋回せよ。
U: LaGuardia, this is AWE1539, hit birds we lost thrust
in both engines we’re turning back towards LaGuardia.
こちら1539便、鳥に衝突し、両エンジンの推力を失った。
ラガーディア空港へ戻るために旋回中。
T: Okay, you need to return to laguardia, turn left heading of 220.
ラガーディアへ戻る必要があることを了解、方位220へ左旋回せよ。
U: 220
220.
1:47-2:25
T: Cactus 1549 if we can get it to you, do you want to try to land runway 13?
1549便、用意ができれば滑走路13へ着陸したいか?
U: We’re unable we may end up in the Hudson.
不可能だ。ハドソン川まで行くのが限界だ。
T: Jetlink 2760 turn left heading 070.
ジェットリンク2760便、方位70度へ左旋回してください。
J: Left 070 jetlink 2760.
ジェットリンク2760便、70度へ左旋回します。
T: Alright Cactus 1549 it’s going to be left traffic to runway 31.
1549便、滑走路31は左側の場周経路です。
U: Unable.
不可能だ。
T: Okay what do you need to land?
了解、どう着陸したい?
T: Cactus 1549 runway 4 is available if you want to make left traffic to runway 4.
1549便、滑走路4利用可能。滑走路4へ左回りの進入経路ですか。
U: I am not sure if we can make any runway….. on what’s over to our right anything in New Jersey….. maybe Teterboro?
滑走路に到達できるかわからない。
我々の右側ニュージャージー州側の空港はどこだ?テターボロ空港?
T: Okay your right side is Teterboro airport. You wanna try to got to Teterboro?
そう。右側はテターボロ空港です。
テターボロ空港へ向かおうとしているのか?
U: Yes.
はい。
2:38 - 2:50
T: Cactus 1549 turn right at 280 you can land runway 1 at Teterboro.
方位280へ右旋回せよ。テターボロ空港の滑走路1へ着陸できる。
U: We can’t do it.
不可能だ。
T: Okay, which runway would you like at Teterboro?
了解。テターボロ空港のどの滑走路が良いですか?
U: We’re gonna be in the Hudson.
ハドソン川に着水する。
T: I’m sorry, say again Cactus.
(絶句)
すみません。もう一度お願いします。
トラブル発生から約3分後の午後3時31分頃、1549便はニューヨーク市マンハッタン区とニュージャージー州ホーボーケン市の間に流れるハドソン川へ、時速270km程で滑走路着陸時と同様の滑るような着水をした。
完璧な着水だった。
乗客乗員(155名)が全員無事に救助され、機長は英雄となった。
当初、機長は空港への着陸を目指し、出発地のラガーディア空港か進行方向の延長上にあるテターボロ空港への着陸を目指していた。しかし、パイロットは高度と速度が低すぎるため空港への着陸は不可能と判断し、市街地への墜落を防ぐため、ハドソン川への緊急着水を宣言した。
事故当時は真冬であり、気温-6℃・水温2℃という状況であった。無事着水して乗客が安堵したのもつかの間、損傷した後部から浸水が始まり、客室内にも浸水が始まった。乗客は機体沈没の恐怖に苛まれつつ、着水の衝撃で停電し真っ暗の中を緊急脱出して、身を切るような寒さに晒されることとなった。
乗客乗員は飛行機の翼の上で救助を待ち、近くに居たハドソン川の水上タクシーや観光船、追って駆けつけた沿岸警備隊などに全員無事救助された。真冬のハドソン川は氷が張る程の極寒であり、10分水の中に居たら凍死してしまう程寒く、周辺船舶によって迅速な救助が行われた事も幸運であった。
機長とキャビンアテンダントは決められた手順に沿って行動した。機体後方のドアを使用せず機体前方へ誘導し、機内の毛布や救命胴衣を回収しつつ乗客へ配布し、逃げ遅れを防ぐべく機内を確認するなど不時着水という非常事態に冷静に対処した。特に機内の確認については機長が既に浸水が始まっていた機体後方まで機内に残っている乗客が居ないか2度確認に向かい、乗員乗客全員が脱出したのを確認してから機長も脱出した。
1549便はこの日シャーロットからの折り返し便として運行されており、操縦は副操縦士のジェフリー・スカイルズが担当していた。しかし、両エンジンの停止後、即座に機長のチェズレイ・サレンバーガーは補助動力装置(APU)を起動させ、操縦を副操縦士から交代し、同時に空港管制に対し、状況の報告と非常事態を宣言。
サレンバーガー機長は元は米空軍に7年所属し、元空軍大尉でF-4(読み:えふふぉー)ファントム戦闘機のパイロットだった。民間に転職してからもあわせれば、パイロット歴40年、飛行時間は2万時間に迫るベテランパイロットであり、様々な賛辞にも「訓練した事をやっただけ」と至極謙虚な回答をしている。
機長は同年10月、同じ路線で機長に復帰し、スカイルズ副操縦士と共に、今度こそフライトを完遂。翌年3月に無事パイロットを引退した。
事故機は引き上げられた後、現在ではカロリナス航空博物館に展示されている。
航空機事故で着水して全員無事だった、と言うのは歴史的にも極めて稀な話で、これを成功させたサレンバーガー機長は一躍時の人となり、アメリカの英雄と賞賛された。
離陸してから着水までわずか5分間での出来事であり、乗員・乗客全員が無事に生還したことから、ニューヨーク州知事のデビッド・パターソンは、この件を「ハドソン川の奇跡」(Miracle on the Hudson) と呼び称賛した。
YouTube概要欄
絶体絶命の中で奇跡は何によってもたらされるのでしょうか?クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演「ハドソン川の奇跡」(Miracle on the Hudson) というタイトルで映画化されている航空機事故の全貌が無線のやりとりから明らかになります。
画像① https://liveries.to/sabaoh/us-airways-livery-a320
画像②
https://www.sciencephoto.com/media/852378/view/us-airways-flight-1549-incident-illustration
画像③ https://lrnc.cc/_ct/17060725
画像④
画像⑤ https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/southerncrossagency/entry-12680435657.html
画像⑥
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6bd41fc8934208fade3ebe57cdc45b6a7107435/images/000