航空無線のやりとり Part1
今回は飛行機がゲートから滑走路を離陸する前までの、パイロットと管制官のやりとり
である、クリアランス受領、プッシュバック、タクシーリクエスト、タワーコンタクト
までを紹介していきたいと思います。こちらは紹介事項が多いため、2回に分けてお送りします。1回目の今回はクリアランス受領をみていきたいと思います。
それでは早速、始めましょう。
Let’s スタート!
①クリアランス受領
皆さんが飛行機に乗り込む間、パイロットは、管制官からクリアランスをもらいます。
クリアランスとは、『デリバリー』と呼ばれる管制承認伝達席からもらう飛行承認のことをさします。内容には、出発地から目的地までの経路、高度、スコーク、周波数が含まれます。
『デリバリー』呼ばれる管制官は、飛行機に対してクリアランスを出したのちに、
『グランド』と呼ばれる管制官にコンタクトするよう指示します。
ではここで無線のやりとりをきいてみましょう!
JL124 : “Osaka Delivery, Japan Air124, Good afternoon.”
DEL : “Japan Air 124,Osaka Delivery, good afternoon, go ahead”
JL124 : “Japan Air 124, to Tokyo, Flight Level 270, spot 17 ”
DEL : “Japan Air 124, cleared to Tokyo airport,via ASUKA 4 Departure, SHTLE transition,
flight planned route, maintain flight level 160, expect flight level 270, Squawk 3327.
JL124 : “Japan Air 124, cleared to Tokyo airport,via ASUKA 4 Departure, SHTLE transition,
flight planned route, maintain flight level 160, expect flight level 270, Squawk 3327.
DEL : “Japan Air 124, read back is correct. Osaka Ground 121.7.”
JL124 : “Ground 121.7, Japan Air124”
翻訳
JL124 : “大阪デリバリー、JL124です、こんにちは。”
DEL : “JL124、こんにちは、どうぞ。”
JL124 : “JL124です。東京までのクリアランスを高度FL270でお願いします、スポット17番です。 ”
DEL : “JL124、東京まで、SHTLE経由のASUKA 4 Departureのから計画通りでどうぞ。高度は初めはFL160で、後にFL270が承認されるでしょう。スコークは3327です。”
JL124 : “(全く同文を復唱).
DEL : “JL124、復唱は正しいです。大阪グランド121.7と通信してください。”
JL124 : “グランド121.7、了解しました、JL124。”
※FL、flight levelについて
低高度において、飛行機の高度計は大気の圧力を利用して高度を求めます。通常、高度14000ft、つまり約5000m以上においては、全ての飛行機は標準大気を飛行していると仮定して、大気の圧力の補正をせずに飛行します。その高度がflight levelという高度です。全飛行機が等しく高度計補正を圧力によって行わないので、例えばFL180と18000ftは厳密には異なるのですが、等しく補正を行わないので、飛行機同士の垂直間隔は確保されるのです。
※スコークについて
ここで表示されるスコーク4桁は、識別番号のことで、
この数字をもとに管制官は飛行機の機影を管制卓から捉えて指示を出します。
通常0-7までの数字4桁で指示をされますが、
7700は緊急事態、7600は無線胡椒、7500はハイジャック発生など
特殊なスコークも存在します。
※ATCで用いる特殊な英語、フォネティックコードについて
管制では間違いを減らすために、Aをアルファ、Bをブラボー、Cをチャーリーなどと聞き取りやすいように発音します。また、9もナイナーや、5もファイフ、thousandもタウザンドのように発音します。
いかがでしたでしょうか。
次回は今回のクリアランス受領の続きの、プッシュバック、タクシーリクエスト、タワーコンタクトを紹介いたします!
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それではまた次の動画でお会いしましょう。
ご視聴ありがとうございました。